関節リウマチ

公開日:2016/05/18

最終更新日:2021/10/18

鈴木 眞理 先生

この記事を監修したドクター

政策研究大学院大学名誉教授 跡見学園女子大学 心理学部臨床心理学科 特任教授鈴木 眞理 先生

関節リウマチは膠原病の一種です

関節リウマチ(RA)は、膠原病のひとつで、自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が、自分の臓器を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。関節リウマチでは、関節内で関節液をつくる滑膜が異常増殖して、自分の軟骨や骨を破壊して、重症の場合には関節が破壊されつくすと、変形を残して炎症はおさまります。

膠原病には全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群などがあり、関節痛が共通に起こる症状です。全身性エリテマトーデス(SLE)は、関節炎があちこちに移動するのに対して、関節リウマチ(RA)では、関節炎が起こる場所は固定していて、炎症は持続します。

代表的な症状は手指のこわばりと関節痛

関節リウマチの罹患率は人口の0.5~1%で、30~50歳代の発症が多く、人口1000人あたり女性5.4人、男性1.1人と、女性に起こりやすい病気です。

最初は、両手の指の付け根の関節と指先から2番目の第2関節が左右対称的に腫れて、熱感や発赤もあります。とくに朝、30分以上こわばるようになります。また、肩、肘、股、膝関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。

ところで、閉経前後の女性の手指の関節痛と変形には、第一関節(指先に近い関節)に起こりやすいへバーデン結節、第二関節(指先から2番目)に多いブシャール結節などがあります。自己判断せず、膠原病内科、整形外科などの関節リウマチの専門医に診断をしてもらうことが大切です。

関節リウマチは全身病なので、貧血や微熱、全身倦怠感などのも起こります。症状も重症度も多彩です。また、関節以外に、皮膚にリウマトイド結節というしこりができたり、間質性肺炎や肺繊維症などの肺障害を併発したり、血管炎を併発して悪性関節リウマチになることもあります。

検査法や診断は?

最近は、米国・欧州リウマチ学会の分類基準 (2010年)で診断します。

他の原因による関節炎が否定された上で、罹患関節数、血液検査でリウマトイド因子陽性、抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体陽性、CRPや血沈上昇、症状の持続期間(6週未満か以上)で点数化して、6点以上で関節リウマチと診断します。リウマトイド因子は関節リウマチの80%で陽性ですが、健常人の5%や他の膠原病でも陽性になります。一方、抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体は関節リウマチの50~70%で陽性になり、特異性が高く、発症前から陽性になります。関節のX線検査では初期には変化がないことが多く、その後、骨の破壊(骨びらん)や骨同士の癒着が見られます。

早期治療が大切

炎症が滑膜にとどまっているうちに治療を始めれば、軟骨や骨が壊れるのを防ぐことも可能です。早期発見・早期治療が大切な理由です。

治療は薬物療法が基本で、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を使います。メトトレキセートに代表される抗リウマチ薬自体には鎮痛効果はなく、効果が現れるまで2~3か月かかることから、非ステロイド性抗炎症剤を併用します。強力な抗炎症と免疫抑制効果があるステロイド剤、免疫抑制剤のほかに、活動性が高く抗リウマチ薬の効果がない場合には生物学的製剤が用いられます。生物学的製剤は関節リウマチの炎症を引き起こす物質であるサイトカイン(TNFαやIL-6)の働きを妨げて関節破壊の進行を抑えます。生物学的製剤は抗リウマチ薬の効果が不十分な場合に使用します。

複数の生物学的製剤が使用できるようになり、治療成績が向上しています。さらに、リハビリテーションも行い、関節の動く範囲を広げ血液の流れをよくして、痛みやこわばりをとるための運動療法や、患部を温めて痛みやこわばりを和らげる温熱療法などがあります。