膠原病 全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症

膠原病の最初に起こる症状は

これらの膠原病では関節痛が共通に起こる症状です。

全身性エリテマトーデス(SLE)は、関節炎があちこちに移動する病気であるのに対して、関節リウマチ(RA)では、関節炎が起こる場所は固定していて、持続します。

シェーグレン症候群では、関節リウマチに似て手の指関節が痛くなることがありますが、腫れや熱感をともなわないことが違いです。

発熱の程度は、疾患によって、ひとりひとり異なり、さまざまです。

皮膚症状も、膠原病の特徴的な症状になります。全身性エリテマトーデス(SLE)は、蝶形紅斑(鼻から両頬にかけて現れる蝶のような形をした皮膚の赤み)をはじめとして、さまざまな皮疹が起こります。全身性強皮症では手指が腫れて、皮膚が固くなるのとレイノー現象が特徴です。レイノー現象とは、寒冷刺激や精神的緊張によって、手足の末梢の血管が発作的に収縮し、血液の流れが悪くなり、手や足の指の皮膚の色が蒼白、暗紫になります。冷感、しびれ感、痛みをともなうこともあります。また、血流が回復すると、逆に充血し赤くなります。レイノー症状はひどくなると、指先などに皮膚潰瘍を起こすこともあります。

膠原病の診断には、数年かかることも少なくなく、これらの症状があったら、膠原病やリウマチ科を標榜している専門医を受診しましょう。

検査法は

膠原病を疑う場合、まず行う血液検査は抗核抗体です。

自分の細胞核構成成分を抗原とする自己免疫の総称です。40倍未満が陰性です。80倍以上なら精密検査を行います。
次に、それぞれの病気に特徴的な特異的抗体を採血で検査します。SLEが疑われる場合には、抗2本鎖DNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗リン脂質抗体を、シェーグレン症候群は抗SS-Aや抗SS-B抗体を、全身性強皮症は抗セントロメア抗体や抗Scl-70抗体です。

全身性エリテマトーデス(SLE)

男女比は1:9、特に20-40歳の女性に多い病気で、日本の患者数は6~10万人といわれています。
症状は “全身性”という病名のとおり、全身の様々な臓器に障害を起こしやすいという特徴があります。

初発症状は発熱、だるさ、関節痛です。蝶形紅斑は必ず起こるわけではありませんが、あれば診断の大きな手がかりです。光線過敏症、口腔内潰瘍、脱毛が見られることがあります。潰瘍は通常の口内炎と違って、痛みがなく、口の中の上あごの固い部分などによく起こります。皮膚、腎臓、肺、中枢神経などの内臓のさまざまな症状がいろいろな組み合わせと重症度で、一度に、あるいは、経過とともに起こってきます。

抗核抗体は未治療のSLEの人はほぼ全て陽性になります。上述の特異的抗体や、貧血、白血球減少、血小板減少、蛋白尿、脳脊髄液(中枢神経への影響)などSLEによる異常がないか検査します。

SLEの治療は免疫抑制効果のある副腎皮質ステロイドを使用し、使用量は徐々に減らして長期に飲み続けます。早くて高い効果を得るために副腎皮質ステロイドを点滴で大量に使用するステロイドパルス療法を行うことがあります。
副腎皮質ステロイドが効果不十分か、副作用が強い場合に、免疫抑制薬を使うことがあります。世界的に用いられているヒドロキシクロロキンが2015年から使用されて、皮膚症状や倦怠感などの全身症状での軽減に効果が認められています。

シェーグレン症候群

男女比は1:17、女性に多く、全年齢で発症しますが、50歳代にピークがあります。また、関節リウマチの約20%にシェーグレン症候群が合併します。日本の患者数は10~30万人といわれています。膠原病のなかでは、症状が軽く、病気に気付かない患者さんもいます。

眼の乾燥(ドライアイ)と口の乾燥(ドライマウス)が特徴的な症状です。涙が少なく、悲しい時でも涙が出ず、眼がごろごろしたり、痒みや痛みを感じます。唾液が出ないので、口が渇いて虫歯が多くなり、トーストなど乾燥した食品を食べるのが苦手になります。また、鼻腔や腟の乾燥も起こります。関節痛、レイノー現象、発熱、強い疲労感をも多いのが特徴です。まれに肺や腎臓などの内臓に病変をともなうことがあります。

診断のために、上述の特異的抗体検査、ガムを噛む唾液分泌試験、涙液分泌量測定など眼科検査を行います。唇の小唾液腺または涙腺の組織検査で病変を確認することもあります。白血球減少や免疫グロブリンの増加、リウマトイド因子は約70%陽性といった結果が出ます。

シェーグレン症候群の治療は、口、眼、腟の乾燥を抑えるための対症療法(保湿のためのケア)が中心になります。毎日の点眼、口腔清潔と人口唾液、膣の乾燥にはエストロジェンの内服やエストロジェン入りクリームなどを使用します。

全身性強皮症

強皮症には全身性強皮症と限局性強皮症があります。限局性強皮症は皮膚のみの病気で、内臓を侵さない病気です。一方、全身性強皮症は皮膚や内臓が硬くなる変化が特徴です。ただし、全身性強皮症の中でも発症より5~6年以内は進行するタイプと進行はほとんどないか、あるいはゆっくりのタイプがあります。

男女比は1:12で、30~50歳代の女性に多く見られ、日本での患者は2万人以上です。

最初の症状はレイノー現象です。次に、手指の硬化が起こります。手指の腫れぼったさとこわばりがあり、今までの指輪が入らなくなります。爪のあま皮の黒い出血点、指先のへこんだ傷痕、指先の潰瘍も起こります。典型的な場合は、その後、手背、前腕、上腕、体幹と体の中心部分に皮膚硬化が進みます。肺に病変が起こると空咳や息苦しさが、腎臓なら高血圧、食道下部の硬化では胃酸の逆流が起こります。手指の屈曲拘縮、関節痛も起こることがあります。

全身性強皮症を完全によくする薬剤はありませんが、皮膚効果には副腎皮質ステロイド少量内服、肺線維症にはシクロフォスファミドなど、それぞれの臓器に使用できる薬物療法があります。