思春期は第二の誕生
公開日:2016/07/04
最終更新日:2025/08/04

この記事を監修したドクター
子どもと女性のための病院と研究所国立成育医療研究センター
からだもこころも大きな変化を迎える思春期は、周囲の大人への反発と依存の間を揺れ動きながら成長していく時期です。本人もご家族も変化に戸惑うことが多くありますが、ご家族は“安心できる存在”として、おおらかな気持ちで受け止める姿勢が大切です。
思春期とは?
「思春期」はおよそ10歳から18歳までのこどもからおとなへ変わってゆく移行期全体を指す言葉です。思春期はからだにも、こころにも、「第二の誕生」と呼べるほどの大きな変化をもたらし、本人も周囲の大人もその変化に戸惑い、気持ちが不安定になるなど、時にいろいろな問題を生ずることになります。また、からだの変化に伴い、性的な関心が高まる時期でもあります。こころとからだの変化に向き合い悩みながら “自分らしさ”を探り、発見していく大切な時期です。
思春期のからだの変化
思春期の女の子は女性ホルモンが増えていくことによって、二次性徴と呼ばれるからだの変化があらわれます。乳房が発育して胸が大きくなることから始まり、陰毛や腋毛が生え、その後に生理(月経)が来るようになります。生理が来てから2年くらいすると身長の伸びも止まって成人身長に達します。平均的には9歳過ぎから胸が大きくなりはじめ、12歳台で生理が来ますが、個人差が大きく、早い人と遅い人では4年くらいの幅があります。もし平均的な年齢よりも早く乳房が発達する(8歳未満)場合は、思春期早発症の可能性があります。また、平均的な年齢より約2年以上遅く、13歳になっても乳房の発育が無かったり、15歳になっても生理(初潮)が来なかったりする場合は思春期遅発症の可能性があります。思春期早発症や思春期遅発症を疑う場合は、内分泌科などの病院を受診しましょう。
思春期のこころの変化
思春期にはこころにも大きな変化があります。自己への関心の高まりから、自立したいという欲求が増す一方で、親から離れることの不安も感じます。この感情の表れとして周囲の大人への反発と依存の間を揺れ動きながら成長してゆく時期になります。そのため、同じ境遇である仲間との関係を重視するようになりますが、対人関係の未熟さからトラブルに見舞われやすいという特徴があります。
また、「他の人からどのように思われるだろう?」といった他人からの評価が気になり、ダイエットやお化粧、服装など見た目を気にし始める時期ですが、成長に伴う自然なことです。周囲の大人はあたたかく見守るようにしましょう。
家族ができること
家族は安心できる存在として、ほどよい距離感でサポートをしていくことが必要になります。親がゆとりをもって接することで、不安定な気持ちが自然とおさまってくることも多くあります。ただ、勉強や友人関係、習い事などの負担が大きく、過度なストレスがかかることもあります。もし腹痛や頭痛、食欲低下、不眠、気分の落ち込み、不登校、激しい体重の増減などの症状が出る場合は、小児科や精神科などの専門家に相談しましょう。その際にも周囲の大人は慌てずに、おおらかな気持ちでしっかりと本人の話を聞き、受け入れる姿勢を持つことが大切です。
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