セックスレス
公開日:2016/05/17
最終更新日:2025/08/07

この記事を監修したドクター
国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター、女性総合診療センター 女性外科/婦人科藤岡 泉 先生
特別な事情がなくカップルの同意した性交やセクシャル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期に渡ると予想される状況は「セックスレス」と呼ばれています。日本の夫婦の約6割がセックスレスといわれていますが、その原因に子宮内膜症や腟炎による性交痛などの疾患が隠れていることもあります。
どのような相談がありますか?
「相手からのスキンシップや性交の誘いがなくなった」
「断られるたびに傷ついて、自分からも誘えなくなった」
「自分は求めているが、相手が全くその気にならない」
「子どもができてからセックスがなくなった」
「加齢や病気、出産などをきっかけに性的関係が減った」
などの悩みで相談される方がいらっしゃいます。
セックスレスの定義とは?
日本性科学会の定義は、「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交やセクシュアル・コンタクトがいずれも1ヶ月以上なく、その後も長期に渡ることが予想される場合」とされています。
セックスレスの原因は?
セックスレスになる原因は一つではなく、心理的・身体的・関係性・ライフステージなどさまざまな要素が絡み合っています。
心理的要因では、うつ状態や適応障害などの精神疾患や、ストレスや疲労、セックスに対する恐怖やトラウマ、コンプレックスなどがあります。身体的要因としては加齢による性機能の変化、出産後のホルモン変化のほか、子宮内膜症や膣炎のために性交痛がある場合もあります。
関係性の点ではコミュニケーション不足や夫婦間の信頼関係や感情のずれが考えられ、ライフステージでは出産後の育児や介護による生活スタイルの変化もあります。
特に女性の性欲低下には、妊娠への不安が先行したり、背景に過去の性暴力被害のトラウマや妊娠・出産のトラブルがあること、生育歴の問題なども挙げられます。
また、最近は男性の性欲低下が増えており、その原因は「愛情の質の変化」、男女関係から、例えば母と息子・兄と妹・親友関係のように変化し、性の対象としての関係がなくなるということも増えています。
さらに近年では、どちらか一方が強く妊娠を希望しているなど、妊活へのプレッシャーが引き金となって性行為自体を苦痛に感じてしまう場合もあります。
相談の方法は?
セックスレスについては、まず誰かに相談してもよい問題であることを知ることが重要です。セックスに関する悩みは、恥ずかしいことでも異常なことでもありません。適切なサポートを得ることで改善することもあります。
また、カップル、個々人が何を望むかによって、相談や治療の必要性が決まります。お互いに不満がなければ、治療は必要ありません。
相談先の例として、以下のようなものがあります。
婦人科・泌尿器科
性機能の変化や疾患など身体的な要因にアプローチします。子宮内膜症や膣炎のために性交痛がある場合は婦人科的な治療を行います。妊娠の希望がある場合もご相談が可能です。
性機能外来・性科学専門医
男性の勃起障害や性欲低下に対する薬物療法など、専門的な治療が可能です。
カウンセラー・臨床心理士
夫婦間のコミュニケーション改善や心理的背景の整理を支援します。夫婦カウンセリングでは、カップルで関係性の改善に取り組む方法として有効です。
女性の場合、セックスレスに悩んだら、まずは婦人科に相談してみましょう。
セックスレスは夫婦関係や個人の自己肯定感に影響を与えます。まずは自分の気持ちに正直になり、必要に応じて専門家に相談することが大事です。誰にも相談できない、と悩むのではなく関係をよりよくする一歩として「話してみる」ことから始めてみましょう。
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