乳がん検診

公開日:2016/05/24

最終更新日:2024/09/27

森 繭代 先生

この記事を監修したドクター

東京大学医学部附属病院女性診療科・産科 講師森 繭代 先生

共著:国立成育医療研究センター

乳がんはマンモグラフィなどによる乳がん検診で早期発見が可能で、早期治療を行うことで治る可能性の高い病気です。40歳以上は2年に1回の乳がん検診を習慣化していきましょう。

日本の検診受診率は先進国の中で最低です

マンモグラフィによる乳がん検診によって、乳がん死亡率を減らすことが科学的に証明されています。多くの先進国では、マンモグラフィによる乳がん検診が推奨されていて、アメリカでは50歳から74歳の女性の76.5%、イギリスでは50歳から70歳の女性の74.2%がマンモグラフィを受診しています。その結果、アメリカやイギリスでは、乳がん発生率が増加しているにもかかわらず、乳がん死亡率は減少し続けています。
一方、日本では、40歳以上のマンモグラフィによる乳がん検診の受診率は44.6%です。これは、先進国で最低の数字です。検診受診率が低いため、早期発見が遅れていて、先進国で唯一、乳がん死亡率が増加し続けています。

乳がん検診は40歳以上、2年に1回です

マンモグラフィは、乳房を片方ずつ、X線フィルムを入れた台と透明なプラスチックの板で挟んで、乳房を平らにして撮影します。マンモグラフィで発見される乳がんの70%以上は早期がんで、乳房温存手術を受けることができます。現状では、40歳以上、2年に1回の乳がん検診(視触診併用)が、エビデンスのある検診です。2年に1回の受診でも、毎年受診した場合とほぼ同様の有効性が示されています。もしも、検診で「精密検査を」という結果が出たら、精密検査は必ず受けましょう。
日本女性の場合、高濃度乳房(乳腺の密度が高い、デンスブレスト)人が多いため、マンモグラフィだけでは見えないしこりがあります。超音波を組み合わせると、検診の精度があがります。*高濃度乳房(乳腺の密度が高い、デンスブレスト)については、「NPO法人乳がん画像診断ネットワーク」http://bcin.jp/ をご覧ください。
乳がん検診後でも、しこりに触れた場合は、乳腺科や乳腺外科など、乳房疾患の診療を専門とする医療機関を受診しましょう。

さらに詳しい情報は『がん情報サービス』「乳がん検診について」をご覧ください。
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/breast.html

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