厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修

Q18.「口の中がよく渇くようになってしまいました。」

A18.「まずは原因の特定をして、唾液の分泌をうながすようマッサージなどを取り入れることも大切です。」

どんな症状? どんな病気?

          

ドライマウスになると、口の中が渇きやすく、舌がヒリヒリと痛む。しゃべりにくい。口の中がネバネバとべたつく。食べ物を飲み込みにくい。口臭がある。味覚がおかしいなどの症状がでます。

どんな診察をするの?

問診と視診、口の中の湿潤度を測ったり、唾液の分泌量を測定し診断します。自己免疫性疾患の『シェーグレン症候群』との識別のため唾液腺シンチグラフィー、唾液腺の検査や口の中の組織の検査、血液、眼科の検査を行います。

治療や対処法は?

ドライマウスは加齢、服用薬物の副作用、ストレスが原因で起こります。その他、更年期によるホルモンバランスの変化、シェーグレン症候群や糖尿病などの内科的疾患、放射線治療の副作用などもあります。シェーグレン症候群には、服薬で唾液の分泌を促すことで解消することがあります。しかし、ドライマウスに関しては対症療法が中心となります。下がヒリヒリ痛いのは、唾液の分泌量が少なくて粘膜保護作用が低下しているためにおこります。傷を癒す効果のあるアズレン製剤の処方で改善します。その他、ドライマウス専用の保湿ジェルやマウスウォッシュ(アルコールを含まないもの)、保湿スプレーを使うことも有効です。ドライマウス専用の発泡剤を含まない低刺激の歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。また、ドライマウスは唾液の分泌が少なくなることで起きるので、唾液の免疫作用が低下することがあります。虫歯や歯周病にも留意する必要があります。日常生活では、ゆっくりかむことで唾液の分泌を促したり、唾液腺のマッサージや口の周りや舌を動かすストレッチを行うことも重要です。ストレスを避けリラックスした時間を過ごすことも大切です。