厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修

Q16.「最近、抜け毛が多くて気になります。」

A16.「抜け毛は、食事やヘアケアで予防も改善も可能です。」

どんな症状? どんな病気?

          

老化現象の症状の一つに髪の衰えがあります。最近では年齢に関係なく、過度のストレスや無理なダイエット、パーマやカラーリングなどが原因の髪のトラブルが増えています。
また、出産や更年期によるホルモンのバランスが乱れると髪にも影響が出ます。

どんな診察をするの?

症状や原因により脱毛の種類があります。
びまん性脱毛 : 特徴としては頭全体が脱毛します。老化が原因で特に頭頂部が透けて見えます。60歳以上であれば多くみられる症状です。激しいダイエットで起こることもあります。
分娩後脱毛:妊娠中に分泌されていた女性ホルモンが、主産後に急激に減ることでヘアサイクルが変化することで髪が休止期にはいるため起こります。時間の経過とともに回復しますが高齢出産では完治しないこともあります。
円形脱毛 : 500円玉大の脱毛斑が突然でき、自覚症状がないのが特徴です。ストレスによることが多いのですが、アトピー性皮膚炎による場合もあります。回復しますが繰り返し発症することもあります。
脂漏性脱毛 : 頭皮の皮脂が過剰に分泌されることが原因でふけが増え、かゆみが多い脱毛症状です。

治療や対処法は?

髪の老化は、食べ物やヘアケアやストレスを減らすことで予防でき、回復もある程度まで可能です。髪に必要な栄養は、たんぱく質、コラーゲン、ミネラル、ビタミン、ヨウ素などで、普段の食事から取り入れることを心がけますが、サプリメントの併用もよいでしょう。頭皮の汚れは毛穴を詰まらせ、抜け毛を増やします。シャンプーの前にブラッシングをし地肌の汚れを浮き上がらせ、お湯だけで軽く洗髪した後、シャンプーを薄めてよく泡立てて、地肌を下から上にマッサージしながら洗います。すすぎは十分に行い、シャンプーが残らないようにします。シャンプー後はしっかりと乾かします。薬を使った治療としては血行をよくするビタミンEやストレスに強くなるビタミンB12の内服と塩化カルプロニウムの外用を使うこともあります。また、ストレスによる抜け毛にはカウンセリングなどの心のケアも重要です。