Q1.「月経が不順で、今は月経がこなくなり(無月経)ました。どうしたらいいでしょうか?」
どんな症状? どんな病気?
婦人科の外来でよくある訴えです。
月経は来ていたのですから、原発性無月経(満18歳になっても初経が起こらない)ではなく、続発性無月経(以前は継続して訪れていた月経が、なんらかの理由で3か月以上起きなくなった症状)です。
思春期の女性は、性機能が未熟で、初経後まもなく無月経になることもあります。
頻度が多いのは、失恋や人間関係などの精神的ストレス、疲労、過度のダイエット、肥満などによって、女性ホルモンバランスが崩れて、月経不順から無月経にまでなることがあります。
これらの場合は、病気ではありません。また、更年期になると月経不順から無月経(閉経)になります。
月経の正常範囲とは、月経周期日数 25日~38日で、月経持続期間 3日~7日、経血量 20~140g です。毎月同じ日に月経が来なくても25日~38日のあいだに収まっていれば正常範囲と考えます。
どんな診察をするの?
クリニックでは、原因を探るため、無月経となった前後の月経の状態、生活環境の変化、体重の変化、他科の疾患の治療歴、内服薬に有無を問診します。
同時に、既婚で妊娠を望んでいるのか、未婚だが将来の不妊の不安があるのか、などを聞きます。
ホルモン検査(血液検査)や経腟超音波検査を行って、無月経がどの程度(重症か、軽症か)、隠れた病気はないか、などの診断を行うと同時に、ストレスやダイエットによる心身の体調チェックも行っていきます。
治療や対処法は?
月経は、女性の健康のバロメーターともいえます。
通常は、月経が規則正しく来ている女性でも、精神的ストレスや肉体的疲労が重なる生活を続けていると、月経不順になることはよくあります。
日頃から自分のホルモンバランスを知るために、基礎体温表をつけることをおすすめします。
性交渉をもつパートナーがいるが、まだ妊娠を望んでいない人には、低用量ピルを飲んでもらうようすすめています。ホルモン剤による治療を行う場合もあります。
バースコントロールやホルモンコントロールをするのも、ストレスの多い社会で生きる現代女性の、心身のメンテナンスとして必要です。