思春期の頭痛

公開日:2016/07/04

最終更新日:2021/10/18

絹巻 暁子 先生

この記事を監修したドクター

東京大学医学部附属病院小児科 助教絹巻 暁子 先生

検査異常のない頭痛が多いです

子ども・思春期世代の頭痛のほとんどは、血液検査や画像検査で異常のみつからない機能性頭痛といわれるもので、片頭痛や筋緊張性頭痛が大部分です(頭痛のページもご参照ください)。

本人や家族が「この頭痛の原因はなんだろう」「また痛くなったらどうしよう」といった不安に陥ると、症状をより悪化させてしまうことがありますし、頭痛の程度が強くなったり、頻度が多くなったりすると、日常生活や学校生活に支障を来すことがあります。頭痛に悩んでいる方は、医療機関に相談してみるとよいです。頭痛の種類について、さらには頭痛時の対応について説明や助言を受けることができるでしょう。

注意が必要な頭痛もあります

突然に発症した激しい頭痛、起床時に強い頭痛、嘔吐を伴う、意識がもうろうとする、痙攣や麻痺などがある、といった場合には脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、てんかんなど脳神経の疾患が心配ですので、必要に応じて画像検査や脳波検査を行います。

頭痛との付き合い方を知ることも治療のひとつです

規則的な生活を心がけることが何より大切です。また、鎮痛薬や予防薬など様々な頭痛薬がありますが、薬だけで頭痛をコントロールすることは困難なことも多いです。

頭痛の最中は「痛みのせいで〇〇ができない」ということもあるでしょうが、「痛みがあっても〇〇ならできる」ということもあるはずです。できることに取り組むことで気を紛らわせることができますし、次に痛くなったときにどう対応したらよいのか知っているだけで不安が軽くなり自信につながります。

痛みは本人にしかわからない症状ですが、家族や学校関係者など周囲の方は痛みの訴えに耳を傾け、できることに一緒に取り組むなどの姿勢が本人の安心につながります。

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