性交と性交障害

公開日:2016/03/29

宮本 雄一郎 先生

この記事を監修したドクター

東京大学医学部附属病院大学女性診療科・産科 助教宮本 雄一郎 先生

原因は精神的な問題と身体的、物理的問題が考えられます

性交障害には、精神的な問題が原因になる場合と身体的、物理的なことが原因になる場合があります。

前者は年齢を問わず、セックスに対する不安感や嫌悪感がもとになって起きるもので、実際レイプやハラスメントなどの被害にあってトラウマになるケースや、幼児期から受けてきた性に対する周囲からの情報が、性を忌み嫌うものにしてしまうケースもあります。
また、最近は結婚や出産をきっかけにセックスレスになるカップルも増加しているようです。これもやはり心因性のものといえます。

一方、身体的物理的な問題としては、未経験者で腟口が極端に狭かったり、処女膜強靭などのケースがあります。
また、子宮内膜症で性交痛がある場合も比較的多い、性交痛の原因です。

更年期のエストロゲン低下による腟粘膜の萎縮で、性交痛を感じるケースなどがあります。

どう対処すればいいでしょうか?

精神的な問題には、カウンセリングが必要です。
セックスカウンセラーなどの専門家や治療機関もあります。

身体的な問題では、形成外科的な手術が必要なこともあります。
子宮内膜症の性交痛では、内膜症そのものの治療が必要ですが、低用量ピルも有効な方法です。
更年期の腟粘膜の萎縮には、ホルモン補充療法(HRT)があり、ホルモン剤の腟錠や潤滑ゼリーも効果的です。

身体的なことが原因でも、本人がコンプレックスと捉えることや、パートナーに罪悪感を抱いてしまうこともあるので、心身両面からのアプローチが必要です。

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