物忘れ、アルツハイマー、認知症予防

もの忘れがひどい

人の名前や漢字が思い出せないことは、更年期以降になると、だれもが経験することです。
しかしながら、「重大なもの忘れが増えてきた」と感じたときは、早めに精神科や脳神経外科などを受診しましょう。

疑わしい病気のひとつはアルツハイマー病

脳が萎縮して、記憶に障害をもたらす病気です。初期症状としては、新しいことが覚えられなくなるということが起こります。

次第に、抑うつ状態や妄想、時間や場所を把握できない、適切な言葉がでてこない、着替えが上手にできないなどが起こって、無気力・焦燥感・不安感・俳徊・無目的行動といった症状が現れ始めます。
人によっては、妄想や幻覚があらわれることもあります。

原因は、完全に解明されていませんが、記憶を司る海馬を中心に神経細胞が壊され、脳が萎縮していくことが原因ではないかと言われています。

有効な治療薬があります

アルツハイマー病の治療薬としては、神経伝達物質の濃度を高める「ドネペジル(アリセプト)」が有効です。
また、昔を思いださせたり(回想法)、音楽を聞いたり歌ったりすることで、脳を刺激するケアも行われます。

ご家族の方は、患者を叱らないようにします。叱ると症状は悪化します。
決して責めないで、自分でできることをやってもらいながら、脳への刺激を続けましょう。
人と会話をしてコミュニケーションをとり、習い事を始めるなど、生活にちょっとした変化をつけることも大事です。

脳血管性認知症の場合もあります

脳の血管がつまることによって、さまざまな痴呆症状があらわれるものをいいます。
症状としては、物事を記憶、時間や場所を認識する力、ものごとを組み立てて考えたり、判断する能力が低下します。

また、脳の障害の程度や部位によって、体の麻痺や嚥下障害、発語障害や歩行障害などの身体症状が現れることもあります。

原因は、脳の血管が詰まり、神経細胞への血流が低下することによって、神経細胞が破壊されることなどが考えられます。

高血圧や糖尿病、高脂血症などの病気がある人は、特にかかりやすいので、注意が必要です。また、脳卒中の後遺症として起こることも少なくありません。

脳血管性認知症の治療は…

病気そのものを治す治療薬は、残念ながら今のところありません。
そのため、脳血管症状を抑えるために、脳血管拡張薬や脳循環・代謝改善剤、抗血小板薬などを使用することもあります。
塩分を控えた食事や適度な運動が発症の予防につながる可能性があります。

血圧や血糖値、コレステロール値が高い状態だと、脳血管の詰まりがくり返される可能性があります。これらの値に異常がある場合は、正常値に近づけるように生活習慣を見直し、治療しましょう。

若い頃からの認知症予防

認知症は、生活習慣を整えることで予防できるとわかってきました。
高齢者になってから予防するよりも、若い頃からの食習慣、運動習慣が予防につながります。

  1. 食事
    魚と緑黄色野菜をたくさん食べる人は、認知症になりにくく、油物や甘いものを好んでたくさん食べる方は認知症になりやすいという疫学データがあります。地中海食が理想です。ちなみに、現段階で認知症予防効果があるとして推奨されているサプリメントはありません。
  2. 運動
    有酸素運動が認知症予防に効果があります。
  3. 生活習慣病の管理
    糖尿病・高血圧・脂質異常症を予防し適切にコントロールをすることで認知症予防につながります。特に中年期の肥満、糖尿病は認知症の危険因子になっています。
  4. 禁煙・軽く飲酒
    喫煙と多量飲酒は認知症の危険因子となっており、禁煙と飲酒するにしてもほどほどにすることが推奨されます。
  5. 認知トレーニング
    記憶力のトレーニングや認知機能を刺激するトレーニングは、お勧めです。
  6. 社会活動
    社会参加で社会活動を行うことは、認知症の予防になります。

これらの予防をいくつか組み合わせて、仲間と一緒に長続きさせましょう。
高齢になってから急に食習慣や運動習慣を改善することは難しく、認知症の予防は、若い頃から生活習慣を整え、仕事ばかりでなく趣味も楽しみ、年をとり足腰が弱くなってもできるような趣味(読書、塗り絵、ボードゲームなど)も含め様々なことに興味関心を持つことが認知症予防の秘訣です。