貧血

公開日:2016/03/26

最終更新日:2024/05/08

国立成育医療研究センター

この記事を監修したドクター

子どもと妊婦さんのための病院と研究所国立成育医療研究センター

共著:鶴賀 哲史 先生

貧血は、血液中の赤血球の中にあるヘモグロビン(酸素を運ぶ役割があります)が少なくなった状態を言います。症状としては、立ちくらみ、めまい、頭痛、胸の痛み、肌荒れなどもあります。

女性の貧血は、鉄分の不足が原因?

女性は毎月の生理で出血するため、血液に含まれる鉄分が失われます。それに対応するだけの鉄分の摂取が足りない事で発生する「鉄欠乏性貧血」が女性の貧血の大部分を占めます。

鉄分は、赤血球の中のヘモグロビンの中心的な成分ですから、鉄分が不足するとヘモグロビンの量も少なくなります。そうすると貧血になり、立ちくらみ、フラフラする、動悸、息切れ、肌荒れなどの症状が出ます。

貧血でめまいなどが起きるのは、どうして?

酸素を全身に送ったり、炭酸ガスを肺に運んで放出する働きを持つヘモグロビンは、鉄とタンパク質から出来ています。

そのため、鉄分が不足するとヘモグロビンの量も減ってしまい、全身に酸素を送り込めなくなります。

脳へ送られる酸素の量の低下は、めまいや立ち眩みを引き起こし、全身へ送る酸素の量を増やすために心臓がフル回転で働くことにより動悸が起きるのです。また、ヘモグロビンは血の赤さを司る血色素ですから、血の気が失せて顔色も青白くなってきます。

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特に注意したほうがいい人は?

胎児に栄養や酸素をどんどん送らなければならない妊婦さんは、鉄分を多く消費するため鉄欠乏性貧血になりやすくなります。

また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などで慢性的に出血がある人、子宮内膜症子宮筋腫などによる月経過多の人では、鉄分不足から鉄欠乏性貧血になることがあるので注意しましょう。

バランスのよい食事から鉄分をとる

鉄欠乏性貧血を治すには、鉄分を多く摂ることが大切です。

一般的に、肉などの動物性タンパク質とビタミンCは、食事による鉄の吸収を助け、大豆タンパク・牛乳・卵などは吸収を妨げるといわれています。

しかし、吸収を妨げる食品であっても吸収をよくする食品と一緒にとれば大丈夫ですので、なんでもバランスよく食べることを心がけて下さい。

<鉄分が多く含まれている食事>
煮干し
豚レバー
しじみ
赤貝
ほっき貝 など・・・

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