妊婦さんを支える支援制度
公開日:2016/07/04
最終更新日:2025/10/24

この記事を監修したドクター
子どもと女性のための病院と研究所国立成育医療研究センター
妊娠・出産の際には妊婦健診や出産費用などさまざまな費用が掛かりますが、助成制度や給付金など多くのサポートも用意されています。自治体により追加の助成や申請期限がある場合もありますので、まずはお住まいの自治体に相談して各タイミングで必要な支援を受け、安心して出産を迎えられるように準備していきましょう。
妊娠期に受けられる支援
母子健康手帳(親子健康手帳)の交付
妊娠の兆候があり、病院で妊娠が確認できたら「妊娠届」をお住まいの自治体に提出すると交付されます。窓口は、区役所や市役所、保健所や保健センターなど、自治体により違うため、事前に確認しておきましょう。妊婦健診の記録や赤ちゃんの成長記録に使用します。妊婦健診の際には必ず持参しましょう。
妊婦健診の公費助成
妊婦健診は14回程度が推奨されています。母子健康手帳の交付の際に自治体から助成券が配布され、自己負担の費用を大きく軽減できます。助成内容は自治体によって異なりますが、健診や採血・超音波などの検査が助成されます。
保健師・助産師による相談・訪問
妊娠中から産後まで、自治体の保健センターや助産師による訪問・電話相談を受けられます。
2025年4月から、妊娠した方への「給付・伴走型相談支援」が制度化されました。それに伴い、妊娠期の面談を実施する自治体が増えています。「妊婦面談」「妊娠〇か月面談」「ゆりかご面談」など、お住いの地域により名称や予約方法が異なります。また、自治体によっては、妊婦のための支援給付金や子育て応援ギフトなどの特典とセットになっている場合があるため、妊娠届の提出時に確認しておくといいでしょう。
各種情報提供
母親・父親学級、両親学級は、病院、市町村の保健センター、保健所などで妊産婦や父親などご家族のために実施されています。妊娠中のからだの変化、出産についての知識、赤ちゃんを迎えるにあたっての準備など、すこやかな妊娠と出産のための指導を受けることができます。
妊婦のための支援給付
2025年度から「妊婦のための支援給付」の支給が始まりました。給付の申請方法は各自治体の窓口にお問い合わせください。
- 妊娠初期:妊娠の認定がされたら5万円の支給
- 妊娠後期~産後:妊娠している子どもの人数×5万円の支給
出産にかかる費用の支援
出産育児一時金
出産1児につき 原則50万円(多胎児を出産した場合は人数分)が健康保険から支給されます。
- 産科医療補償制度未加入の施設での出産や、妊娠週数22週未満の出産の場合は 48万8千円となることがあります。
- 支給申請は出産の翌日から2年以内です。
- 病院と合意の上で「直接支払制度」を利用すると、差額のみの支払いで済みます。(詳細は出産予定の病院でご確認ください)
高額療養費制度
妊娠や出産に伴う切迫流産・早産、妊娠高血圧症候群、帝王切開などによる入院・手術で医療費が高額になった場合、自己負担の上限を超えた分が払い戻されます。事前に「限度額適用認定証」を申請しておくと便利です。
助産制度
生活保護世帯など、経済的な理由で出産費用を用意できない場合には、各自治体にご相談ください。児童福祉法に基づいた「助産制度」を利用することができます。自治体が指定した助産施設(病院)での入院・出産が可能で、自己負担額を減らすことができます。
働く妊婦さんのための制度
出産手当金
会社員や公務員など健康保険に加入している方が対象です。
産前42日(多胎妊娠は98日)、産後56日の休業中、働いていた時の給与の約3分の2が健康保険から支給されます。
産前産後休業(産休)
労働基準法に基づいた母体保護を目的とした休業制度です。
- 出産予定日の6週間前から取得可能です(多胎妊娠は14週間前から)。
- 出産後は8週間の休業が労働基準法で保障されています。産後6週間を経過後に本人が希望し、医師が認めた場合には就業することもできます。
- パート・アルバイトも含めたすべての女性が取得できます。
育児休業(育休)
育児・介護休業法に基づく制度で、子どもを育てるために一定期間休業する制度です。
- 原則として子どもが1歳に達するまで取得可能です。
- 保育園に入れないなどの理由があれば2歳まで延長可能です。
- 子どもが1歳6ヶ月になる日までに雇用契約が満了することが明らかでないことが条件となります。(雇用契約が継続される可能性がある場合に取得可能)
- 女性だけでなく男性も取得することができます。
- 男女ともそれぞれ2回に分割して取得することができます。
育児休業給付金(雇用保険)
育児休業を取得した労働者に対して雇用保険から支払われる給付金です。
- 原則として子どもが1歳になるまで(最長2歳まで延長可)。
- 休業開始から180日間は賃金の67%、以降は50%が支給されます。
出生後休業支援給付金
2025年4月より、条件を満たした場合、育児休業給付金に上乗せされる給付金です。
- 両親が出生後8週間以内にそれぞれ14日以上育児休業を取得した場合に給付されます。
- 給付率は賃金の約13%相当です。既存の育児休業給付金と合わせれば休業前の手取り賃金とほぼ同額になります。
- 給付日数は最大28日間です。
育児時短就業給付金
2025年4月より、子どもが2歳未満の間に短時間勤務を選び、条件を満たした場合、賃金が下がった分を一部補填する新制度です。
出産後に受けられる主な支援
児童手当
高校生世代までの子どもに支給されます。第3子以降は増額となります。
- 3歳未満:1人につき月額15,000円(第3子以降は30,000円)
- 3歳以上高校生年代まで:1人につき月額10,000円(第3子以降は30,000円)
小児医療費助成(子ども医療費助成)
多くの自治体で未就学児~高校生世代までの医療費を助成しています。内容は地域により異なります。
未熟児養育医療制度
体重が2,000g以下など、医師が必要と認めた場合に入院治療費が公費で助成されます。
産後ケア事業
産後1年以内のお母さんと赤ちゃんが、宿泊や日帰り、訪問で助産師・看護師のケアを受けられる自治体の制度です。心身の回復や育児相談に活用できます。ケアを受けられる時期は自治体により異なるため、利用を希望する場合は事前に確認しておきましょう。
産科医療補償制度
出産に関連して赤ちゃんが何らかの理由で重度脳性麻痺と診断された場合は、「産科医療補償制度」による補償があります。
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/info/?gclid=CKyN3–Sys0CFUdvvAodbpMNWg
制度は自治体によって異なる部分が多いため、必ずお住まいの自治体窓口に確認しましょう。
詳しい条件・期間・申請方法は、厚生労働省や自治体の公式ページをご覧ください。
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