妊娠糖尿病

公開日:2016/10/07

菊池 昭彦 先生

この記事を監修したドクター

埼玉医科大学総合医療センター産婦人科教授菊池 昭彦 先生

妊娠糖尿病とは妊娠中に発見または発症した高血糖のことです。妊娠すると胎盤などの影響で妊娠前よりも血糖が上がりやすくなり、一定の基準を超えると妊娠糖尿病と診断されます。妊娠中にお母さん(母体)が高血糖になることで、母児に合併症をもたらします。すなわち、母体においては妊娠高血圧症候群(別項参照)や早産などのリスクになり、赤ちゃんにおいては巨大児などのリスクになります。そのため、妊娠糖尿病と診断された場合には、食事療法や薬物療法(インスリン注射*)などを行い、日々の血糖を良好に保つ必要があります。
出産後には血糖は正常化することが多いです。しかし妊娠糖尿病だった人は、将来糖尿病に移行しやすいため、出産後も体重管理や定期的な血糖の状態の評価が大切です。
*インスリンは膵臓で作られ、血糖を下げる働きをもつホルモンです。食事療法のみでは妊婦さんの血糖値目標に達成することが難しいときには、薬として作られたインスリン注射が加わります。

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