厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修

ヘルスケアラボ健康相談窓口

ストレスによる過食嘔吐

私は18歳の社会人です。高校の時にストレスを初めて感じ誰にも相談できず苦しんでいました。普段なら家に帰ったら嫌なこともすぐ忘れて次の日が来れば元通りだったのが元通りに戻れなくなり、ストレス解消を探していました。

私は食べるのが好きなのでストレス解消として沢山食べることにしてましたが、色んなことが頭の中をパンクさせてトイレに駆け込み吐いてしまったことがきっかけで今も過食嘔吐が続いています。

友達や家族、会社の人など、信頼している方にお話することは出来ていなくてずっと一人で悩んでいます。「やめないといけない」と思っていても、これが私の日常生活になっているのでどうしてもやめられないんです。辛くてもやめられない、誰かに相談もできない、どうしたらいいか分からないというのが今の状況です。病院に行くのも怖く、でも健康になりたい。

お医者さんや誰かに相談出来ればと思ってはいます…。何か、方法はありますか?もう疲れました。

ヘルスケアラボからの回答

ご質問していただき、ありがとうございました。

「今日はむちゃ食いしない」と決めれば、止めることができますか?「やせていないと私の人生はうまくいかない」などの考えなどの体重や体型にこだわりがあり、やせようとして嘔吐しますか?1週間に1回以上、自分で抑えられないむちゃ食い発作がり、その後、体重増加を抑えるために嘔吐をされる場合、神経性過食症の診断名になります。

ただし、これに当てはまらない場合でも、食べて嘔吐する、という行為は、不適切ですが手近なストレス発散方法になります。最初は、体重増加を抑えるために嘔吐していますが、そのうち、嘔吐も「嫌なものが全部出ていく」という快感になります。心の空虚感や挫折感はやはり人とのつながりなど安定した感情で癒すしかないのに、食べ物という違う物で埋めようとするので、効果はその時間だけで、翌日はまた満たされない気持ちになります。

原因をよく把握されているようです。信頼できる人に相談できない、自分だけでストレス要因を解決できない、自分を癒す方法が他にない、のですね。根本的な治療は、ストレスを増やさない、溜めない、適切に対処する、ことです。「他人を頼ってはいけない」「自力で解決すべき」「どうせ言っても解決しない」などの考えに縛られていませんか?ストレスに対して「がむしゃらに頑張る」「我慢する」方法だけで対処されていませんか?

問題を根本的に積極的に解決する方法を考える、そのストレスの捉え方を変える、他人の力を借りるなど他の方法を使えることが上手なストレス対処です。すぐに変えることができないので、症状の軽減には時間がかかります。その間、抗うつ薬や抗てんかん薬で対処できることがあります。

また、過食嘔吐をしないで済む状況、例えば、運動、特定の友人との交流、趣味などがあれば、その回数を増やして、過食嘔吐の時間を他の活動で置き換える方法も使えます。過食嘔吐の時間や過食に使う金額を可視化して、少しづつ減らす工夫もします。 過食を憎らしいと思われるでしょうが、「悪友」のように、今のあなたを救っている面があります。過食しなかったら、出勤できない羽目になっているかもしれません。

時間はかかりますが、「ストレス対処上手」を目指すことが、なかでも、話を聞いてくれる支援者を探すことが改善につながります。摂食障害に精通した医師や臨床心理士との面談も役立つでしょう。

ところで、嘔吐に伴う合併症は脱水、低カリウム血症、酸蝕歯があります。嘔吐するのは食べ物だけでなくリサイクルすべき唾液、胃液、腸液です。嘔吐後はナトリウムやカリウムを含む水分を補給しましょう。強酸の胃液は歯のエナメル質を溶かして、歯や歯肉を痛めます。嘔吐後は真水で30回くらいうがいして、歯磨きは口腔内が中性に近づく30分後に柔らかい歯ブラシで行います。月1回歯科でメンテナンスしてもらい、歯の喪失を予防しましょう。

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