厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修

ヘルスケアラボ健康相談窓口

過食について

仕事のストレスや緊張から過食気味になりました。吐くことはないですが異常なまでに食べてしまいます。これが1年以上続いています。今はストレスも軽減していますが過食は治りません。

数ヶ月前までは体重が太るのが嫌でなんとか調整しようと躍起になっていましたが、ここ1、2ヶ月はどうしようもないくらい毎日食べ続け、太ることも仕方ないと思ってきてしまいました。

これは過食症ではないのでしょうか。どうすると良いのか分からず、普通に生活したいです

ヘルスケアラボからの回答

自分で抑えられないむちゃ食い発作が1年以上、最近はほぼ毎日あるとのこと、ご苦労をお察しします。体重は標準体重の85%以上で月経も整順でしょうか?痩せ過ぎていると、それだけでむちゃ食いは起きやすくなります。

痩せ過ぎでなく、わざと吐く、下剤乱用、絶食や過剰な運動などで体重増加を防ぐ行為をされていないならば、過食性障害と診断されます。不愉快な感情を忘れるために、酒やたばこと同じようにむちゃ食いしてしまうストレス疾患です。裁量権が低い仕事や、本音を言える支援者がいない時に発症が多いとの報告があります。

現在はストレスになる原因は軽減されているとのことで、過食は収まるはずなのにと疑問に思っていらっしゃいますね。このような行為は、最初はストレスが溜まってどうしようもない時に週に1回などですが、徐々にハードルが低くなって、少しの嫌な感情でも過食が起こるようになります。
また、過食しないと1日が終わらないなどのように習慣化することもあります。ただ、過食には他の問題行動への防波堤という重要な役割があります。過食がなければ、アルコールや買い物依存などに走っていたかもしれません。

ストレス疾患ですから、物事をストレスと捉えない、ストレスを溜めない、適切に対処する、リラクセーションなどストレスマネジメント力を向上させる必要があります。言いたいことが言えない、我慢して他人に意見を優先して後悔してしまう方なら、アサーショントレーニングも必要です。
白黒思考、完璧主義、「〇〇すべき」と考えやすい傾向があれば認知行動療法は有効です。このような物事の捉え方をしていると、本来はとるに足らない、あるいは、良いこともプレッシャーや不安になってしまいます。これは臨床心理士とのカウンセリングで行います。長年の思考の癖なので、改善には時間がかかります。学会でも認知行動療法の講習会が頻回に行われています。
抗うつ薬や抗てんかん薬は軽度ですが、抑制効果があります。

今すぐできることは、ストレス要因を計画的に解決する方法を熟慮する、誰かに話を聞いてもらい、支援を仰ぐなどのストレス対策です。そして、規則正しい食生活と早めの就寝で過食しにくい生活リズム、過食に使った費用のレシートを集めて計算して視覚化して、毎週〇〇円ずつ減らす工夫をする、過食しやすい時間に過食できないような予定を入れる、誰かと一緒なら過食しない場合は協力を依頼する、〇〇曜日は過食しない(翌日は過食量が多くなっても良いので)などです。
過食は一気にやめることは難しく、時間や回数や食費を減らすことができる、つまり、コントロールできることが重要です。

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