更年期女性の仕事と家庭

公開日:2016/05/27

山口 広平 先生

この記事を監修したドクター

帝京大学ちば総合医療センター産婦人科 助教山口 広平 先生

更年期世代の女性の健康づくりと働き方はいまや社会的な関心事です!

今、日本の更年期の女性は、労働力率は75%にのぼる20代と肩を並べる働き手であり、また、職場の責任を担う管理職としての役割も求められる世代です。
加えて、1986年に施行された男女雇用機会均等法第一世代の女性たちがいま更年期を迎え、集中力の低下や無気力感などの更年期症状に悩んでいます。「仕事を続ける自信がない」「降格を職場に申し出た」など、仕事と不調の両立に悩んでいる状況も報告されています。
それだけに、心身にさまざまな不調が生じやすい更年期の上手な健康づくりと働き方についての関心が、女性のみならず、社会的にも高まっています。

更年期症状は気のせいと我慢したり、ひとりで悩まず、専門家に相談を

更年期は、体調の変化に加えて、職場では責任ある立場、家庭では親の介護や子供の世話など、多様なストレスを抱えることの多い時期です。不調を感じたら、まずはこれまでの自身のライフスタイルやものの受け止め方などを見直してみましょう。
併せて、更年期症状は気のせいと我慢したり、ひとりで悩まずに、更年期に詳しい専門家にぜひ相談し、更年期医療のホルモン補充療法(HRT)や漢方などを上手に取り入れることも、お勧めします。

更年期世代こそワーク・ライフ・バランスが大事

仕事を続けてきた女性は、培ってきた知識や技術、経験が十分に発揮できるよう、自分に適したワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を取り入れて、働き方も工夫してみましょう。人生の基盤として「健康を保持しつつ自分に合った形態で長く働いていきたい」と願っている女性たちが増えています。更年期の不調によって、それまで積み上げてきた幅広いキャリアを断ち切ったりあきらめたりすることのないよう、自分に適した働き方とライフスタイルづくりをはじめましょう。

これから30年以上ある人生を充実させるために

更年期は、これからの30年以上ある人生を元気で自立し、確かな足取りで歩んで行くための折り返し点であり、セカンドステージへのスタート地点でもあります。自分のための時間を大切にし、趣味や友達、ライフワークの充実や、前からやりたかったことにもトライしてみましょう。
積極的な更年期の健康づくりと前向きなライフスタイル、そして、自分に適した働き方で,充実した更年期を過ごしましょう。
さらに詳しい情報は「NPO法人女性の健康とメノポーズ協会」webサイトをご覧ください。
https://www.meno-sg.net/

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