更年期相談とピア支援

公開日:2016/05/24

山口 広平 先生

この記事を監修したドクター

帝京大学ちば総合医療センター産婦人科 助教山口 広平 先生

ピア支援とはひとりで悩んでいる人のためのサポートシステムです

更年期症状の現れ方は個人差が大きく、あまりつらい思いをせずに過ごせる人、日常生活にも支障をきたすほどの不調を経験する人など、さまざまです。このため、自分だけが不調なのではと悩んでいる方も少なくありません。
更年期女性のためのピア支援とは、つらい症状を抱えて誰にも相談できず、ひとりで悩んでいる方のためのサポートシステムです。本来、「ピアカウンセリング」の目的は、障害や困難な疾患などを抱えた方の自立のサポートでしたが、最近では幅広い分野で取り入れられています。

仲間とともに前向きな姿勢に変わっていくことを目指しています

現在、更年期世代の女性たちは職場では責任のある立場、家庭では子育て、教育、老親の介護など、複雑に絡み合ったストレスを抱える年代です。さらに、自身は更年期の不調も加わり、悲鳴を上げている例は少なくありません。
ピア支援は、不調を抱えた人同士が、共通の体験や思いを語り合うなかで、つらさを分かち合い、助言や情報を伝え合い、この時期を仲間とともに乗り切っていく前向きな姿勢に変わっていくことを目指しています。
参加者が平等な立場で、自由に話し合うためには、落ち着いた環境が必要です。また、不正確な情報に惑わされたり、独りよがりにならないために、更年期医療などに詳しい人の同席も欠かせません。

仲間同士の語り合いで心を支え合う場です

参加者からは、「初対面なのに、更年期のつらさを分かり合えて、旧友に出会えたよう」「周りは元気な人ばかりで更年期という言葉も言いにくい。ここに来て、つらいのはひとりだけではないことがわかった」「最近の治療法を知って勇気が出た」「体調の悪さを忘れるひとときで、次回も参加したい」「人の話を聞いているうちに、自分の悩みの解決の糸口が見えてきた気がする」などの声が寄せられています。
更年期のピア支援は、仲間同士の語り合いを通して、折れそうになる心を強く支えてくれる場と言えるでしょう。
さらに詳しい情報は「NPO法人女性の健康とメノポーズ協会」webサイトをご覧ください。
https://www.meno-sg.net/

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