熱っぽい(自律神経失調症)

公開日:2016/05/23

最終更新日:2021/10/25

鈴木 眞理 先生

この記事を監修したドクター

政策研究大学院大学名誉教授 跡見学園女子大学 心理学部臨床心理学科 特任教授鈴木 眞理 先生

いつも熱っぽく、測ると熱があるなどの症状が…

健康な日本人の口腔温は36.68±0.35℃(3分値)で、25%は腋窩の随時体温が37.0℃を超えます。日本の感染症法では、37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱と定義しています。微熱は37.4℃までの平熱より高い体温と見なされます。体温には日内変動があり、早朝4時頃に最低となった体温は上昇し始め、昼頃から夕方まで高く維持された後、夜になって下がり始めます。 1日の体温の変動幅は1℃程度です。女性では排卵日から月経までは、基礎体温が0.6℃程度高くなります。

更年期世代の女性では「いつも熱っぽく、測ると自分の平熱より高い、あるいは熱がある」の症状を感じることがあります。まず、脳血管障害、脊髄損傷、パーキンソン病や糖尿病の持病があると、体温調節をする自律神経が不調で、外気温が高いと体温が高くなることがあります。発熱以外の症状があるかを確認します。せき・痰などの呼吸器症状、腹痛・下痢などの腹部症状、発疹などの皮膚症状、関節の痛みや腫れ、耳の痛みや副鼻腔炎、歯の痛みや腫れ、月経との関係、体重や食欲の変化、最近の海外渡航歴などはないでしょうか。また、体温を毎日最低2回測って記録しておきましょう。熱型を観察できて、病的なものかそうでないかを医師が判断するときの材料になります。

隠れた病気がないか受診することが大切

3週間以上続く38.5以上の発熱で原因が判明しない場合、三大原因は感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍です。一般に、微熱では重篤な病気は少ないものの、隠れた病気がないかどうかを、医師の診察を受けて、確実に除外することが大切です。

見逃されやすいのは結核などの感染症、バセドウ病などの甲状腺疾患や褐色細胞腫などです。内科や婦人科の悪性腫瘍を除外することも必要です。悪性腫瘍で発熱を起こしやすいのは、悪性リンパ腫、急性白血病、腎細胞がん、肝細胞がんなどです。熱だけが唯一の症状のことがあります。

そのほか、花粉症などのアレルギー疾患やアルコール性肝障害などでも熱が出ることがあります。薬剤性の発熱の可能性もあるので、常用薬を確認します。薬剤の副作用としての発熱は薬剤熱と言われます。最も頻度の高い薬剤は抗生物質、その他、抗てんかん薬、高尿酸血症の治療薬であるアロプリノール、インターフェロンなどです。抑うつ状態やうつ病でも微熱が続くことがあります。

自律神経失調による熱っぽさ

卵巣で作られるエストロゲンという女性ホルモンの低下によって自律神経の司令塔である脳(視床下部)機能が乱れ、血管を収縮したり拡張したりを適切にできなくなります。その結果、微熱、のぼせ、急な顔のほてり、汗かきが起こります。これらの症状は医学用語で「ホットフラッシュ」と呼ばれ、閉経前後ではよく見られる症状です。

更年期障害のひとつの症状なら更年期障害の治療を

内科的な病気や原因が発見されれば、治療はそれに準じますが、上記がすべて除外されて原因不明のことも少なくありません。異常なしであっても、数か月するうちに疾患が現れることもあるので、しばらく体温表をつけ、通院して変化をみることもあります。

月経不順、あるいは、停止して、更年期障害チェックで更年期障害が疑われる場合は、通気性の良い服を着る、室温を下げる、深呼吸法などリラクセーション、冷感シートで首筋などを冷やすなどの対処をしましょう。婦人科を受診して、女性ホルモンや漢方薬治療が可能です。治療をすることで微熱が改善するかどうかをみるのもいいでしょう。

生活リズムを見直し、ストレスを減らすことによって、自律神経の安定を図ることも大切です。