めまい・耳鳴り

公開日:2016/05/23

最終更新日:2021/10/25

鈴木 眞理 先生

この記事を監修したドクター

政策研究大学院大学名誉教授 跡見学園女子大学 心理学部臨床心理学科 特任教授鈴木 眞理 先生

起こり方が重要です

めまいとは、景色がぐるぐる回る、体がふらつく、頭がふらふら、意識を失いそうになる感じです。抗アレルギー薬やマイナートランキライザーや高血圧の治療薬の副作用で起こることがあります。めまい・耳鳴りを起こすのは耳鼻科疾患、中枢性の病気として脳血管障害、脳腫瘍、小脳出血があります。いつ、どこで、どのようなときに起こるのかという起こり方が重要です。

いま起こっためまい・耳鳴り

急に起こっためまいで耳の症状を伴う場合はメニエール病や突発性難聴が考えられます。メニエール病は突然、激しい回転性(ぐるぐる)めまいの発作で、吐き気や嘔吐、発症した側の耳の詰まった感じや「耳がキーンと鳴る」耳鳴りを伴います。持続は1~6時間で、まれに24時間です。発症した側の耳の聴力は徐々に悪化していきます。性差はなく、男性では働き盛り、女性は更年期の社会的、家庭的、肉体的にストレスの多い年代に多く、小児や65歳以上に少ない疾患です。突発性難聴は50~60歳代が多く、耳鳴りとともに急激に難聴になります。難聴がめまいより主たる症状で、回転性(ぐるぐる)めまいは初期だけです。

耳鳴りや難聴はなく、突然に回転性(ぐるぐる)めまいが起こるのに良性発作性頭位性めまいがあります。めまいの特徴は、ベッドで寝返りをうつ、何かを拾おうとして腰をかがめたときなど、頭が動いたときに引き起こされます。めまい発作は、1度につき数秒から数分で治まり、数日から数週間の間に何度も発作が起きることがあり、発作はその後徐々に自然になくなっていきます。加齢で平衡感覚をつかさどる耳石が剥がれるのが原因なので、高齢者ほど起こりやすくなります。

救急で受診が必要なのは脳小脳出血など含む脳血管障害です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴などがあり、突然、めまいや頭痛、神経症状(ろれつが回らない、呑み込みが悪い、物が二重に見える、半身のしびれ、脱力、口の周囲のしびれ)が出現します。意識を失うエピソードがあれば、不整脈による脳への血流不足を疑って心電図など循環器の検査が必要です。

1か月以上続いているめまい

風邪症状の後からめまいはずっと続いていて、頭の位置とは無関係の場合は前庭神経炎を疑います。うつ病、不安障害などメンタル疾患では気分の落ち込み、不安、不眠、食欲の異常、集中力低下などに加えて、めまいや耳鳴りも起こります。小脳の病気では、頭や体を一定の位置にすると激しい回転性めまいと激しい吐き気が起こるので、その体位をとりたがらなります。耳鳴りや難聴は一緒には起きません。これを中枢性、あるいは、悪性発作性頭位性めまいと呼びます。高齢者では、聴力・視力の低下、手足のしびれ、足の筋力低下、立ち眩みなどをめまいと言うことがあります。

めまいや耳鳴りは耳鼻科、(神経)内科、脳外科を受診します。耳鼻科では、聴力検査や耳鳴りの程度検査、中枢性めまいを疑うときはMRI撮影をします。平衡機能検査には、歩行検査、足踏み検査など身体のバランスをみるもの、頭位を変化させて眼振(眼球の揺れ)をみるもの、また耳に水を入れて眼振の起こり方を観察するもの(カロリック検査)なども行います。

更年期のめまい症

「疲れるとめまいや耳鳴りがしてきます」という訴えも更年期世代の女性には多くあります。症状発現直前の誘因は、精神的ストレスや睡眠不足がほとんどです。一番多いのは、検査をしても特に病気の異常がない「めまい症」と名付けた自律神経の不調です。更年期障害の症状にひとつです。

めまい症の治療には…

薬は、鎮暈剤(めまい症状を改善する薬)、ビタミンB12、循環改善剤、利尿剤などで様子をみます。耳鳴りに対しては、軽度の精神安定剤を使用することもあります。しかし、睡眠不足が直接の原因であることも多いので、睡眠薬をうまく使い、ぐっすり寝るのが一番いいでしょう。

温泉に行ったり、マッサージを受けたり、リラックス療法は、効果があります。多くの場合は、よく検査したうえで、脳や内耳に異常がなく、自律神経的なもので「治りますよ」と説明されることによって、安心して改善するというケースが多いです。

ほかの更年期の症状がある場合は、女性ホルモンや漢方薬など更年期障害の治療をすることで改善することがあります。