子宮体がん
公開日:2016/05/24

この記事を監修したドクター
東京都立駒込病院 緩和ケア科、東京大学医学部附属病院 届出研究員鶴賀 哲史 先生
子宮頸がんと異なり、更年期以降の女性に多いがんです
エストロゲンの過剰分泌が原因と言われています
現代女性のエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰分泌が誘因だと考えられています。エストロゲンには、妊娠準備のために子宮内に蓄えられる子宮内膜の増殖を促す働きがあります。けれども、排卵障害があると、内膜がうまく月経となってはがれず、子宮内膜が増殖を続け、それが長い時間をかけて、がんに進展する可能性があります。
子宮体がんは手術で治りやすいがんです
高分化型類内膜癌という比較的予後良好のタイプで筋層浸潤のないIA期で将来的に妊娠・出産の希望がある場合は、子宮内膜全面掻爬で評価しながらホルモン療法を行うことにより子宮と卵巣、卵管を温存する治療を行うことができます。
しかし、基本は手術による子宮の摘出で、多くは卵巣、卵管も含めて摘出します。
子宮体がんは、初期であれば手術によって治りやすいがんです。しかしながら、がんが子宮壁の深くに達している場合や、子宮の外に広がっている場合、転移のリスクが高い場合は、手術後に放射線治療や抗がん剤の処方などを組み合わせて行います。
不正出血があったら、すぐに検査を
会社や自治体で行われている「子宮がん検診」は、子宮頸がんを調べる検査で、「子宮体がん」のがん検診は、行われていません。
50代以降に発症しやすいがんですが、最近は30~40代でも起こっています。不正出血があったときは、「子宮頸がん」だけでなく、「子宮体がん」の検査も受けましょう。
更年期以降も定期的に婦人科で経腟超音波検査を受けて、子宮内膜の状態を見て、子宮内膜が厚くなっていたら、治療することで子宮体がんの予防になります。
さらに詳しい情報は『がん情報サービス』「子宮体がん(子宮内膜がん)」をご覧ください。
http://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html