腹痛・便秘・下痢

心配事が、さらにお腹のトラブルを引き起こします

大事な会議や緊張する人との面談など、ストレスのかかるイベントがあるたびに、お腹がグルグルと鳴ったり、トイレの場所を気にすることが多くなったりします。腹痛や便秘、ガスに悩まされている人も少なくありません。 心配事を抱えて生活し、解消しないで放っておくと、その心配事がさらにストレスになって、お腹のトラブルを引き起こすという悪循環にもなりかねません。

女性の腹部には子宮、大腸…など多くの臓器が詰まっています

女性のお腹は、男性と比べて複雑で、トラブルを引き起こしやすくできています。女性は、男性の3~6倍も罹患しやすいといわれています。

“お腹”と呼んでいる部分には、たくさんの臓器があります。上腹部には胃、下腹部には腸。胃と腸を消化器と呼びますが、食べものの消化の手伝いをする膵臓や肝臓なども、腹部にあります。また、尿をつくり、溜める腎臓や膀胱(泌尿器)、子宮と卵巣(生殖器)も同じ場所に収まっています。

臓器の数だけ、トラブルや病気があるので、「お腹が痛い」といっても、いろいろな可能性があります。病気だけでなく、女性は、妊娠の可能性も考えなければなりません。

また、多くの臓器が近くにあるので、多少、お腹が圧迫されただけでも、臓器と臓器がぶつかって痛みを感じることもあります。

腹部の不調は原因を確かめて改善、解消しましょう

臓器だけでなく、心の問題もお腹には影響します。食べものを消化したり、便意を感じたりするのは自律神経の働きです。ストレスで、腹痛や便秘や下痢になってしまうのは、自律神経の乱れが原因です。

お腹のトラブルの原因は、腹部の臓器の病気が考えられるもの、心の問題までさまざまです。腹部のトラブルには、病気が隠れている可能性もあります。体質とあきらめたり、我慢したりせずに、病院を受診して原因を確かめましょう。原因がはっきりすれば、対処法がわかります。長年苦しんできた不調も、改善、解決する方法はあります。

女性のお腹にはたくさんの臓器がつまっています

口・食道を経て、腹部には胃、小腸、大腸(結腸、直腸)などが収まっています。腹部は食べ物を消化・吸収する消化器。また、膵臓、肝臓の分泌液は、小腸で消化に使われています。

症状が進行したり、慢性化していたら病院へ行きましょう

腹痛、便秘、下痢から、ガスによる膨満感、おならなど、お腹の不調は、さまざまあります。

下痢や便秘を繰り返したり、腹痛とガスが同時に起こったりする場合は、3~6か月前と比べて、変化しているかどうかがポイントです。徐々に痛みが強くなる、つらさが増すようなら、病気の可能性があります。

便秘の場合、排便が3日以上なかったら、便秘症と考えます。下痢の場合は、3週間以上続いたら、慢性下痢と診断されます。同じような症状を繰り返していたら、一度は内科でみてもらいましょう。

不調の位置は、おへそより上なら、胃や膵臓、胆嚢に問題がある可能性が。おへそより下なら、腸や子宮、膀胱の可能性があります。症状が起こるきっかけや前兆も、原因を探るための大事な判断材料になります。

診断法は?

排便によって改善する腹痛があったり、便通異常(下痢や便秘)が持続するかなどの診断基準にあてはまるかどうかで診断します。クローン病や潰瘍性大腸炎、乳糖不耐症、あるいは大腸がんなどの病気を除外するために、場合によっては大腸内視鏡検査を行うこともあります。

治療法は?

最近、知られてきた“腸‐脳ネットワーク”の働きを調整するために、いろいろな方法が試みられています。抗うつ薬が有効であるのも、理にかなっています。

下痢や便秘の症状を改善するために、腸機能改善薬や鎮痙薬が使われます。冷え症の女性で、月経時に下痢をするときには、温経湯(うんけいとう)などの漢方薬が効くこともあります。ストレスマネジメントとして、自律訓練法を試みるのもよいでしょう。いずれにしろ、心と体をひとつながりのものとしてみる治療法が大切です。