検診の意義と活用

「健診」とは、健康診断のことを意味し、健康であるか否かを確かめるものです。一方、「検診」は、特定の病気を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。

健診も、検診も、日常生活をおくるうえで特に大きな問題を抱えていない、無症状の人を対象にした検査です。何か自覚症状がある場合には、医療機関を受診し検査を受けます。このとき、ふつう健康保険が適応されますが、健診や検診は、健康保険ではなく、企業や自治体の予算、自分で払うなど、別の財源を利用するものです。

あなたは女性検診を受けていますか?
女性の検診について説明しましょう。

子宮がん検診、乳がん検診

まず、子宮がん検診、乳がん検診は、自治体がその検診補助をしています。20歳以上あるいは40歳以上の女性を対象に、無料あるいは一部負担で、1~2年に1回、検診が受けられるように自治体が予算を組んでいます。

次に、企業検診は、正規雇用で働いている人(健康保険組合に加入している人)を対象に企業が行っているもので、その目的は、事業主が、雇用者の健康状態を確認し、病気を早期発見して労働の質を確保するためのものです。

3つめの財源は、個人負担です。個人の希望で好きな医療機関(クリニックや病院)を選び、随時受けることができますが、負担額は大きくなります。

なお、2009年以降は、がん検診の受診促進のために自治体単位で子宮頸がん検診が無料となるクーポンが20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の女性を対象に発行されています。

子宮頸がんや乳がんなど、女性のがんは特に、症状がなく進行しますが、検診を定期的に受けることによって早期発見し完治できる病気です。検診を習慣にしましょう。

自治体や職場で行われる特定検診

次に、自治体や職場で行われる特定検診は、肥満度の検査、肝機能、脂質糖検査など、おもにメタボリックシンドロームの早期発見や注意喚起を目的としたものです。

糖尿病脂質異常症・高血圧などの生活習慣病と肥満、とくに内臓肥満が、動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患の発症させることがわかっています。

そのため、職場では特定検診を義務としていますが、実は、20~39歳の女性のメタボ率は男性の10分の1以下、40歳~60歳では5分の1以下です。もちろん、誰にとってもメタボ検診は重要な検診ではありますが、近年、逆に若い女性のやせすぎや胎児の栄養不足が深刻になりつつありますので、女性はメタボ検診で男性と同様に脂肪を減らそうとするより、適度な栄養や脂肪を保つことを考えたほうがよいかもしれません。

その他、女性が受けておきたい検査

自治体や職場であまり行われない検診に、甲状腺膠原病など、自己免疫疾患の検査があります。これらは、女性にとって体調不良や月経不順をおこしやすいばかりでなく、メンタルにも影響し、かつ妊娠の障害(不妊、流早産、胎児異常の原因、産後の体調不良)にもなります。女性は、妊娠前からこれらの検査を受けておいたほうがよいでしょう。現在のところ、症状がなければ自費検査になりますが、今後は、自治体検診や企業検診の検査項目に追加されることが望まれます。

そのほか、女性に増えている病気は、出産数が減少したことにより、また月経回数がふえたことによる婦人科疾患です。例えば、子宮内膜症子宮筋腫、卵巣のう腫、卵巣がん子宮体がんなどです。これらは、産婦人科で超音波検査を定期的に受けることにより早期発見でき、体調不良や妊娠トラブルの予防にもなります。数年に1回は、婦人科超音波検診を受けることをおすすめします。(まだ自治体検診の補助はありませんが、企業健診で組み入れているところがあります。所属している健康保険組合に問い合わせてみましょう)

メンタルな問題は、特に女性の月経前、思春期や更年期などの時期に現れやすくなります。家族や職場の人間関係や、結婚、離婚、子育ての悩みや親の介護問題、経済問題など、ライフステージや社会のひずみとも関連して現れます。女性の健康特性・生活特性に着目したメンタルヘルスチェックや相談体制も必要です。(男女一緒のメンタルチェックは導入されましたが、女性の精神・生活特性に着目したメンタルヘルスチェックはまだ整備されていません)