Q32.「レイプ被害に遭いました。どうしてよいかわかりません。」

A32.「婦人科での性感染症や妊娠などの確認、心のケアが必要です。」

どんな症状? どんな病気?

アメリカ人女性の25%が性暴力の被害に遭っているという報告があります。日本においても、総理府統計「男女間における暴力に関する調査(1999年)」によると、意に反して性的な行為を強要されることが『何度もあった』(4.1%)、『1~2度あった』(13.6%)との報告があります

どんな診察をするの? 治療や対処法は?

被害女性の対応は、すべて女性スタッフが行うことが望ましいと思います。
医師としての主な役割は次の二つと考えています。
「被害者の不安や心配に対して心のケアをおこなうこと」「実際に起きたことに基づいて心身の検査を行うこと」です。
被害の状況を考慮したうえで問診等を行います。ピルの服用や性感染症の既往歴や合意ある最後のセックスの時期などを確認します。
もし、レイプ直後で衣服を着替えていないのであれば、適当なガウンに着替えてもらうなどして、全身の皮下出血、傷の有無を確認します。性器の診察は不安や恐怖、痛みを感じさせるようなものは避け、可能な限り視診で得られる情報を集めます。最後に腟内の傷を確認し、精子の採取をし、性感染症の検査をします。
必要に応じて緊急避妊ピルをおこない、所見はすべて記録します。
1~2週間後、妊娠の検査と精神状態の確認を行い、3~4週間後、HB肝炎検査、妊娠の再検査、精神状態の状態を確認して問題がある場合は早めに心のケアを行います。
 警察に訴えて、事件となれば、診察費用はある程度公的負担となります。東京都では人工妊娠中絶の費用も公費で支払われます。
とはいっても、日本ではまだ性被害者への公的、地域的サポートや啓発はまだ問題が多く、今後の課題となっています。