月経困難症

下腹部や腰が痛みます

月経困難症は、月経の直前あるいは開始とともに症状が発現し、月経の終了前あるいは終了とともに消失するのが一般的で、おもに下腹痛、腹痛など疼痛を主症状として現れる症候群を指します。

婦人科でよく相談を受ける病気のひとつで、単なる痛みだけでなく悪心、嘔吐、下痢頭痛などのさまざまな不快な症状を伴うことがあります。
症状はおもに「痛み」であるために、客観的に評価することは困難で評価のしかたは一定していません。
そのために統計的にも、さまざまな報告があります。軽度の月経痛は、成熟女性の70~80%も見られます。
重症例は、横になってしまわざるを得ず、ショック症状を呈し緊急で治療を必要とする場合もまれにあります。

月経困難症はふたつの種類があります

月経困難症は、原発性(機能性)月経困難症と続発性(器質性)月経困難症のふたつに分類されます。

1 原発性月経困難症
原発性月経困難症とは、子宮をはじめとする骨盤腔内臓器に疼痛の原因となる器質的病変が認められない月経困難症をいいます。
原発性月経困難症は機能性、本態性、あるいは内因性月経困難症とも呼ばれています。

一般に月経困難症は排卵を伴うことが多く、排卵が月経困難症の成因に関与しています。
ですから、初経後まもなくは無排卵のことが多いため、月経困難症は認められないことが多いです。

2 続発性月経困難症
続発性月経困難症とは、器質性月経困難症とも呼ばれ、疼痛の原因となる器質性病変が骨盤腔内に存在ずる月経困難症をいいます。
器質性としては、子宮筋腫子宮内膜症、子宮腺筋症、あるいは骨盤内炎症などがあります。子宮内膜症や骨盤内炎症による癒着性付属器炎、癒着性骨盤腹膜炎、子宮奇形なども痛みの原因になります。

         

どのようにふたつを見極め診断しますか?

月経困難症の診断は、自覚症状によって行いますが、月経歴を中心とした詳細な問診を重要にします。
月経困難症と診断されたら、次に器質性あるいは機能性月経困難症のどちらかを見極めることが必要です。

つまり、月経困難症と診断された場合には、子宮筋腫や子宮内膜症などの疼痛の原因となる器質性病変が骨盤腔内に存在するかどうかを検討します。
検査は、問診、内診、視診、諸血液検査、画像診断(超音波検査、CT、MRIなど)、腹腔鏡などによって総合的に診断します。
このようにして、器質性疾患が認められた場合、続発性月経困難症と診断され、器質性疾患が除外された月経困難症は、原発性月経困難症と診断されます。

原発性月経困難症の治療は?

骨盤内の器質性疾患が否定された原発性月経困難症の治療は、対症療法や排卵抑制によってほとんどが治癒可能です。
逆に、このような治療をしても症状の軽減が認められないときには、続発性月経困難症やその他の疾患を考えなければなりません。

対症療法としては…
月経困難症の薬物療法の目的は、子宮内膜でのプロスタグランジン合成の抑制です。治療薬の第一選択としてはプロスタグランジンの合成阻害剤があげられます。
NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)を使用し、月経困難症を訴える女性の80%に有効と言われています。

排卵を抑制するには…
低用量ピルの利点として、月経痛が軽減することが知られています。
低用量ピルは、子宮内膜の増殖を抑制し、その結果、プロスタグランジンの産生が抑えられ、子宮収縮作用が抑制されるために月経痛は軽減します。
さらに低用量ピルは、月経前症候群(PMS)や月経の不順などにも効果があり、服用者のQOLの改善に役立ちます。

続発性月経困難症の治療は?

原発性月経困難症の治療と同じように、対症療法が有効な場合もありますが、続発性月経困難症の原因である病気(器質性疾患)の治療が必要になります。

偽妊娠療法、GnRHアナログ療法、腹腔鏡、開腹手術(子宮や卵巣などの摘出)などを患者さんの状態を見極めて行います。
器質性疾患の重症度によって、治療方法、治療内容が異なります。器質性疾患の代表は子宮内膜症、子宮筋腫などです。