女性のライフステージと健康の特徴

女性ホルモンの変動によって女性の心と体はさまざまな影響を受けます

女性は思春期、成熟期、更年期、老年期と、そのホルモン状態によって、また、結婚や育児などのライフステージによって男性とは異なった心身の変化をしています。

その理由はいくつかあります。
ひとつには、性ホルモンの大きな動きです。女性ホルモンは思春期から更年期まで、卵巣から分泌されるホルモンですが、男性のように一定に分泌されるのではなく、月経~排卵~月経という、およそ1か月単位でくり返される大きな変動があります。

また、女性には卵巣の寿命すなわち更年期があり、男性の性ホルモンが加齢によって緩やかに下降するのに対し、女性では急激な減少と喪失という、大きな性ホルモンの動きが40歳代後半~50歳代に訪れます。

経済の発展、女性のライフスタイルの変化とともに少産となった日本の女性は、とても多くの排卵と月経を経験するようになりました。
昔、多産だった時代には、女性の生涯月経はおよそ50回ぐらいだったと考えられています。それは、妊娠と授乳を繰り返していたため、無月経期間が長かったからです。
それに引き比べて現代では、その約10倍もの(約450~500回)月経を経験すると言われており、毎月の排卵・月経を中心に、女性の心身は性ホルモンの動きによってたいへん大きく、かつ頻回に変化するようになっています。
つまり、月経痛月経前症候群(PMS)や、片頭痛子宮内膜症、卵巣嚢胞や乳腺腫瘍など、性ホルモンの動きによって誘発されやすい疾患や症状が増え、妊娠・出産・産褥以外の健康問題が増えているのです。

子宮・乳房だけではない女性ホルモンの役割

更年期は、女性にとっては、生物学的な生殖期の終わり、つまり妊娠機能と卵巣機能の停止を意味しています。
思春期以降、卵巣からは卵が排出され、かつ女性ホルモンが分泌されて、女性の心身のエネルギーを出産に耐えうる状態に保とうとします。女性ホルモンが働くのは、子宮・腟・乳房などの性器ばかりではありません。
例えば、骨、脳、心臓や血管、皮膚や粘膜、関節や筋肉、自律神経、免疫機能にも作用し、妊娠を安定させ、女性の心身を守ろうとしています。しかし、卵巣機能が低下する更年期は、女性にとっては、単に月経が停止し妊娠能力を失うばかりでなく、ホルモン低下を引き金とした全身の機能の低下、自律神経や免疫系などの調整システムの失調、そして疾患の発現がもたらされる時期といえるのです。