女性の包括的健康支援とは?(ライフコースアプローチ)

女性の健康問題は妊娠・出産や婦人科系の疾患だけではありません

女性は、そのホルモンステージによって、また、ライフステージによって、さまざまな健康問題を抱えます。もちろん、男性と同様の健康問題や病気もありますが、女性ならではの健康問題は、単に妊娠・出産問題や婦人科系の疾患だけではありません。   世界では、幼少時からジェンダー(社会的・文化的な性認識)によって、教育や生活上の差別を受ける国や地域もあります。経済的な困窮や性暴力被害も、また人身売買など人権の侵害も、女性のほうが合いやすいことがわかっています。

今、世界のヘルスケアは“ライフコースアプローチ”へ

その中で、リプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)の考え方が1990年代に提唱され、少なくとも、望まない性交や妊娠、性感染症(STD)などのリスクから女性が守られて、ひとりひとりの健康が実現できることが目指されるようになりました。

そして今、世界のヘルスケアは、病気やリスクの予防を、胎児期・幼少時から成熟期(生産期)、老年期までつなげて考えアプローチしようという動きに向かっています。これを、ライフコースアプローチといいます。

メタボリックシンドローム予防や、子宮がん、乳がん検診など、もちろん重点項目は必要ですが、理念として、また体制として、健康を一生涯継続し、次世代に受け継がれるものとして捉え、支援していこうとする試みです。

我が国でも、これまで、女性の健康に関して、妊娠出産に関する「母子保健制度」、そして、検診を普及させがん死亡を減らすことを目的とした「子宮がん乳がん検診の公費補助」が行われてきました。

女性の生涯にわたる包括的な健康支援実現へ向けて

今後は、女性の心身の健康や社会的健康を包括的に支援し、妊娠・出産の安全や死亡率者の減少だけでなく、女性が健康に就労継続できる仕組み、女性が知識をもって健康維持できる教育、がんやメタボ・骨粗しょう症認知症フレイル(筋肉や関節の弱化)の早期発見や予防、暴力や犯罪の被害にあった女性の心理的支援や生活支援など、女性のQOL(生活の質)をよりよく保つための包括的健康支援が求められています。

なぜなら、女性は、産み育てるばかりでなく、社会を支える存在でもあり、家族や地域を支える存在でもあるからです。女性の生涯にわたる包括的な健康支援を実現していきましょう。