産後の仕事とワークライフバランス

”出産したら終わり”の時代は終わりました

妊娠・出産によってしばらく仕事を休んでいても、長い自分の人生からみると、育児で子どもに手がかかるのは、ほんの短い時期(数年)です。

ですから、自分自身の人生のためにも、仕事をどう再開するかという問題は、誰もが考えておかなければならないことでしょう。ましてや、よい仕事がなかった、あるいは仕事が大変だったために、早めに出産を優先した方は、産後に、やっぱり自分らしい仕事を見つけるという課題に戻りますし、バリキャリで産休までめいっぱい働いてきた方は、職場が「早く帰ってきてね」と心待ちにしてくれているでしょう。

これからは、日本の女性も、“出産したら家庭で終わり”とはいかない時代なのです。

早く仕事復帰したい人も、ゆっくり休みたい人も

社会保険制度では、「産休」は産前6週間(多胎は14週)、産後8週と定められています。この間、雇用主は女性を働かせてはいけない、ということになっていますが、もし「どうしても早く職場復帰したい!」という方は、産後6週以降に医師の許可(診断)があれば働けます。

逆に、なるべくゆっくり職場復帰したい女性は、産休後最大2年間「育休」をとることができます。これは、産後の女性の心身の状態や職場復帰への気持ち、そして保育園など育児支援環境(保育園、パートナーや家族の協力体制)、経済的事情などから、職場と話し合って決めていけばよいでしょう。

子育てと仕事、その責任にだれもが悩みます

赤ちゃんと一緒にいてあげたい、子育ても楽しみたい。でも、自分の生きがいやキャリアとしての仕事もつなげたい。これは、だれもが悩む問題です。

しばらく仕事をせず、子どもと過ごす選択をした女性も、社会から取り残されたような孤独感を味わったり、こんなことをしていていいのかと焦る気持ちになるものです。逆に、仕事に復帰しても、大事な子どもを預けなくてはならない心苦しさや心配とともに、早く切り上げて帰らなくてはならないジレンマ、仕事にちゃんと責任をもてない自責感も味わうものです。それが普通です。

なぜなら、働くママは、育児の責任者であるとともに、社会人としての責任も担っているからです。

育児と家事の責任は、パートナーとシェアしましょう

だからこそ、パートナーの意識や協力が何よりも大事なポイントになります。パートナーがいる人は(シングルマザーを選択した女性もいるでしょうから)、できたら妊娠中から、育児や家事の分担や責任について話し合い、意識をシェアしておきましょう。

日本人は、男性の働き過ぎ、長時間の職場拘束が問題になっている社会ですから、「とてもそんなことはできない、考えられない」というパートナーもいるでしょう。

しかし、ここは勝負。意識だけでも当事者でいてもらわないと、アクシデントが起こったとき(育児にアクシデントはつきものです!)、全く頼れず、つらい思いをすることになるからです。そのため、とうとう離職する女性のなんと多いことでしょう! ぜひ、あらゆる育児や家事の責任を、ふたりでシェアする気持ちを育てていきましょう。

多くの人を巻き込んで、育児と仕事を楽しみましょう

とすれば、あとは、自分の体力と気力、仕事に対する前向きな気持ちで、育児+仕事(+家庭の行事)を楽しみましょう。いずれにせよ、小さな子どもを育てている時期は、女性の人生の中で最も忙しく、つらく、楽しい時期です。パートナーだけではなく、親や兄弟、友人、ご近所、保育園やシッターさん、行政の支援、職場の仲間まで、頼れるものはなんでも頼りましょう。

子育てはたくさんの人たちを巻き込むもの、そして仕事は、社会に貢献できるばかりでなく、自分を育て、自分の人生における自己実現を助けてくれるもの。現代のママにとっては、両方ともとても大事な「人生の宝物」です。

考え過ぎず、まずはやってみよう!

最近では、母乳育児を助けるさまざまなグッズ(搾乳器や冷凍パックなど)、移動やおむつ替えを楽にするツール(バッグやキャリーなど)、地域や職場の子育てママのコミュニティ、行政の相談制度など、たくさんのアイディアや支援が充実しています。

ワークライフバランス(work–life balance)とは、“仕事と生活の調和”で、一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて、多様な生き方が選択、実現できることです。子育て期だけでなく、今後の長い人生のファーストチャレンジとして、仕事と生活の調和をとることを始めてみましょう。

あまり考え過ぎず、まずはやってみよう、軌道修正はあとで状況に応じてやっていこう、とゆったり構えて取り組んでください。その経験は、きっと仕事に新しい視点を加え、将来のキャリアアップにもつながるからです。Take it easy!